今回は、専業投資家であり、バリュー投資家でもある「かぶ1000さん」とその投資手法「ネットネット株」について紹介したいと思います。

やっぱり成功するなら、その道で成功されている方の考え方やエッセンスを参考にするのが一番だと思います。
この記事を読んでわかること
- かぶ1000さんとは
- かぶ1000さんの投資スタイル「バリュー株投資」
- かぶ1000流ネットネット指数
- かぶ1000流ネットネット株をスクリーンした結果
わたしは、かぶ1000さんのことを著書を読んで知ったのですが、その著書がとても内容が濃くて学びがあるので、投資手法を参考にさせていただいています。

実際、投資だけで億り人になっている方なので、説得力に溢れていますね。
かぶ1000さんとは
専業投資家である「かぶ1000さん」について紹介します。
- 【職業】専業投資家
- 【投資歴】30年以上
- 【住まい】岐阜県
- 【年齢】50代
- 【投資スタイル】PMV(投資家的事業価値)、バリュー株投資
- 【累計利益】2025年8億円突破
- 【SNS】X(@kabu1000)(フォロワー35万人以上)
かぶ1000さんは、中学2年生の時に元手40万円で株式投資を始め、投資歴は37年を越すベテラン投資家です。
当時は中学の体操服で証券会社に通い詰め、中学3年で300万円→高校1年生で1,000万円→高校2年生で1,500万円と順調に資産を増やしたのち、会計専門学校卒業後、証券会社への就職を断り、以後専業投資家一筋という、投資一筋の人生を歩まれています。
著書も2冊ありますが、どちらも内容が濃くて本質的な内容となっています。
YouTubeでも紹介されているのですが、動画だけでも内容がDEEPです。

わたしもかぶ1000さんの著書は何度も読んでいますが、毎回気づきを得られます。
それだけ考察が深く、本質的で核心的な内容なんです。
かぶ1000さんの投資スタイル「バリュー株投資」
このかぶ1000さんの投資スタイルについて紹介します。
かぶ1000さんの投資スタイルは「バリュー株投資」がメインとなっています。
バリュー株投資とは
企業の本質的価値に比べ、株価が割安に評価されている銘柄に投資を行う手法
かぶ1000さんは、もともと、バリュー株投資の父と言われる「ベンジャミン・グレアム」に影響を受け、自分の投資スタイルを確立されました。
また、一言でバリュー株投資と言っても、いくつか種類があります。
- 資産バリュー株投資・・株価が資産に比べて割安な銘柄に投資
- 収益バリュー株投資・・将来の収益に対して割安な銘柄に投資
- 成長バリュー株投資・・企業の成長力に対して割安な銘柄に投資
このバリュー株の種類によって、最重要視する指標も変わってきますが、共通して使用する指標は次のとおりです。
- PER・・株価収益指数
- PBR・・資産収益指数
ベンジャミン・グレアムは、「ミックス係数」というPERとPBRを掛け合わせた指数を使用して割安性の目安にしていました。
ミックス係数
PER×PBR<22.5
この22.5という数値は、グレアムの時代のものです。
現代の日本においては、PER、PBRともに市場平均の半分以下が割安の目安になると言われています。
このうち、かぶ1000さんが得意とするのは(資産バリュー株投資)で、その分析にも実質資産価値を使用するなど、一歩も二歩も進んだ分析をされています。
かぶ1000流「ネットネット株」
かぶ1000さんのバリュー株投資において、最も重要視されているのが「ネットネット株」です。
ネットネット株とは
ネットネット株もベンジャミン・グレアムが提唱したものです。
具体的には「現金などの流動資産から負債総額を引いた「正味流動資産」の2/3が企業の時価総額より大きくなる」ことで、その条件を満たす銘柄を「ネットネット株」とします。
正味流動資産「流動資産−負債総額」×2/3>時価総額
かぶ1000さん曰く、「1万円が入った財布が5,000円で売られているようなもの」とのことで、その割安さに驚かされます。
かぶ1000流ネットネット株
かぶ1000さんは、グレアムのネットネット株に自身でアレンジを加えて「かぶ1000流ネットネット株」を確立されました。
かぶ1000流ネットネット株
- (A) 換金性の高い流動資産「現金及び預金+受取手形及び売掛金+有価証券+投資用有価証券」
- (B) 貸倒引当金+負債総額
- (C) 正味流動資産「(A)−(B)」
→正味流動資産>時価総額なら「かぶ1000流ネットネット株」
グレアムとの違いは、正味流動資産の計算方法にあります。
- 流動資産全てを加えるのではなく、すぐ現金化できるものに限定
- 投資用有価証券を加えている
これらは、実際に換金しやすく、原材料や棚卸資産のように原価割れリスクや保管する手間もないので、より現実的な流動資産として考えられます。
詳しいことはこちらの著書で解説されています。

この「換金性の高い流動資産」は、企業の「決算短信」から確認することができますよ。
ネットネット株の注意点
この超がつくほどの割安「ネットネット株」なんですが、注意点もあります。
注意点
割安なまま放置される「バリュートラップ」銘柄も多い
この超割安な銘柄が、割安なまま放置されているのは、それなりの原因もあるのです。
- 社名が全く知られていない
- 業界が成熟し成長性が乏しい
- 一族経営で株式の流通が少ない
- 稼ぐ力が少ない
結局、割安な株を購入できても、その割安性を市場に見直されることがなければリターンを得ることも難しくなってしまいます。

すでに割安なので、大きな損失も考えにくいですが、高配当株投資のように配当狙いでない限り、やっぱりキャピタルゲインは狙いたいですよね。
バリュートラップを打破するのは「カタリスト」
割安銘柄にありがちな「バリュートラップ」ですが、この割安放置を打破するためには「カタリスト」が必要となります。
カタリストとは、本来は「触媒」という意味合いですが、株式相場においては「相場を大きく動かすきっかけや材料」を意味します。
このようなカタリストで一気に割安銘柄の価格が見直されることがあります。
カタリストの例
- 配当性向、配当利回りの変化
- 自社株買い
- TOBやMBO
- 業績の見直し(増収、増益)
- 買収防衛策の廃止
- 上場市場の変更(重複上場など)
- アクティビストの介入
あくまで、「カタリスト」の可能性を投資のストーリーに入れつつ仕込んでおくという考え方もあります。
ただ、「いつ起きるか」、「そもそも起きるのか」は、誰にも分からないことであり、長期間気長に候補銘柄を保有する姿勢は必要だと思います。
日本株は割安銘柄が多すぎるので、2023年3月に東証がPBR1倍割れの企業に株価水準引き上げのための具体策を要請されています。

この東証の要請もあり、現在の日本企業は、増配や自社株買いがされる傾向にあり、チャンスもあるとは思っています。
かぶ1000流「ネットネット株」スクリーン結果(令和7年9月時点)
それでは(令和7年9月時点で)かぶ1000流ネットネット株をスクリーンした結果となります。
注意
あくまで参考としての情報であり、投資を推奨したり勧誘している訳ではないのでご注意ください。
また、この情報に基づき投資された結果について、一切の責任も負えません。
あくまで投資は自己責任で行ってください。
- 7371 G-Zenken
- 6619 WSCOPE
- 3504 丸八ホールディングス
- 6048 デザインワン
- 6986 双葉電子
- 9402 中部日本放送
- 3600 フジックス
- 8045 横浜丸魚
- 4387 G-ZUU
- 5946 長府製
- 4102 丸尾カルシウム
- 6142 富士精工
- 2221 岩塚製菓
- 1897 金下建設
- 7902 ソノコム
- 8145 中部水産
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- 5971 共和工業
- 4624 イサム塗料
- 2055 日和産業
- 9885 シャルレ
- 3426 アトムリビン
- 2484 出前館
- 5363 TYK
- 6346 キクカワエンタープライス
- 7857 セキ
- 7859 アルメディオ
- 9767 日建工学
- 8013 ナイガイ
- 5979 カネソウ
- 3787 テクノマセマ
- 5541 太平洋金属
- 3512 日本フェルト
- 6249 GCジョイコ
- 3537 昭栄薬品
- 5658 日亜鋼業
- 4231 タイガースポリマー
これが、ネットネット株の銘柄リストとなります。
ただ、全体的に成熟産業や斜陽産業が多い傾向にあり、バリュートラップの可能性は否定できません。
やっぱり、実際に投資をするまでに、自分でIRや企業HPなどで分析したりして、自分で納得してから投資をすることがおすすめです。

わたしも、このリストから自分で財務分析などを行って実際に3銘柄ほど購入しました。
これから長期でのお付き合いとなります。
それでは今回は以上です。