今回は、投資手法の一つである「バリュー株投資」について
また、バリュー株投資において、かなり重要な指標である「ネットネット指数」についてご紹介します。
この記事を読んでわかること
- バリュー株投資について解説
- 重要指標「ネットネット指数」
- ネットネット株一覧「令和7年9月時点」
バリュー株投資とは
バリュー株投資とは、バリュー株投資の父と言われる「ベンジャミン・グレアム」が提唱した投資手法です。
そもそも投資手法には大きく分けて2つの手法があります。
- グロース株投資
- バリュー株投資
グロース株投資とは、業績や利益の成長率が高く、これからも成長が期待できる企業に投資をする投資手法のことです。
ITやAIといった革新的な技術や独自のサービスを提供している分野は、将来の期待が高く注目も集めやすいです。
バリュー株投資とは、本来の企業価値に比べて株価が低く評価されている「割安な株」に投資することで、安全余裕率を確保し「損をしないこと」に重きをおいた投資法です。
このバリュー株投資法を活用されている投資家です。(ウォーレンバフェットは超人として、その他の方も全員億り人です)
- ウォーレン バフェット
- 井村俊哉(fundnote日本株Kaihouファンド)
- 清原達郎
- かぶ1000
- たーちゃん
- はるかみ
このようにバリュー株投資で大成功されている投資家は多く、再現性と可能性の高さがわかります。
わたし自身、このバリュー株投資の考え方を取り入れてから投資の成績がかなり上がりましたので、現在でもバリバリ通用する有効的な手法だと考えています。
バリュー株投資の特徴
バリュー株投資は、企業の本来の価値に対して割安で評価されている株に投資する手法です。
本来は100万円の価値がある企業が、何らかの理由で株価が50万円となっていた場合、何らかのきっかけで企業の価値が再評価されると100万円程度に株価が戻る可能性があります。
この割安放置銘柄が本来の価値に戻る時の値動きに期待して投資を行うのがバリュー株投資の特徴です。
バリュー株投資のメリット、デメリット
本来の価値と比べて「割安」の株に投資する、バリュー株投資ですが、「メリット」も「デメリット」もあります。
メリット
- 大きなリターンの可能性
- 株価下落時の相対的底堅さ
- 配当などのインカムゲイン
デメリット
- 株価の値上がりタイミングが難しい(忍耐が必要)
- バリュートラップ銘柄もあり
- 企業業績の低迷リスク
- IRや財務諸表などから企業価値の算出などの分析が必要
つまり、お手軽に雰囲気で投資する手法ではなく、綿密に企業分析を行い、長期で我慢強く保有することで長期的な値上がりを期待する方法です。
お手軽に手っ取り早く儲けたい人には不向きな手法とも言えます。
バリュー株投資の指標
次に、バリュー株かどうかを判断する指標について紹介します。
指標の値については、一般的なものを記載しています。
- PER(株価収益率)・・10倍以下
- PBR(資本収益率)・・1倍以下
- 配当利回り・・3%以上
- ネットネット指数・・後述
ベンジャミン・グレアムは、PERとPBRを掛け合わせた「グレアム指数」で割安性を測っていました。
また、配当利回りについては、配当を出していない企業もあるので、高配当株投資をされる方は参考にしてください。
ただ、この指標も正解があるわけではなく、市場平均と比べての割安性となるため、その時々の市場の状況によって変動はします。
かぶ1000さんは、「市場平均に対して半分」が割安性の目安と言われています。
指標の値は相対的に変動するので、その時の市場平均も参考に算出するようにしてください。
バリュー株投資における重要指標「ネットネット指数」
続いて、バリュー株投資で最近、とても注目を浴びている指標「ネットネット指数」について紹介します。
バリュー株投資における最重要とも言える指数です。
ネットネット指数とは
この指数も、もともとは、ベンジャミン・グレアムが提唱したもので
企業が保有する換金性の高い流動資産から、総負債を差し引いた金額(正味流動資産)が、企業の時価総額よりも大きい場合に割安だとみなされる考え方です。
簡単にいうと、10万円が入っている財布(正味流動資産)が、6万円で売られている(時価総額)イメージとなります。
つまり、その銘柄がとても割安であることを示す指標となります。

正直、会社ごと買い取って即、解散したら、大儲けできるような会社というわけですね。
そんなことがあるなんてびっくりです。
ネットネット指数の算定式
ネットネット指数の計算式です。
ベンジャミン・グレアム式
「正味流動資産(流動資産−総負債額)×2/3」 > 「時価総額」

正味流動資産を2/3してあるのは、流動資産の中にすぐに現金化できない商品や原材料を含めてあり、これらの商品や原材料は、販売ができないと保管コストが必要となったり流行がずれたら販売価格も値下げしないといけない、このような不確定要素に対する割引きです。
この計算式が元祖、ネットネット指数の算定式なんですが、最近、この手法を自ら取りいれ独自の算定式に変えて使用する投資家もでてきました。
- 清原達郎さん
- かぶ1000さん

どちらも、株式投資で億を越す資産を築かれていますね。
特に清原さんは総資産額800億と、超人の域です。
このどちらの手法も紹介しておきます。
清原式
流動資産+有価証券×70% − 総負債額 ÷ 時価総額
詳しくは著書で確認できます。
かぶ1000式
換金性の高い流動資産 − 総負債額 > 時価総額
※換金性の高い流動資産:現金および預金+受取手形および売掛金+有価証券+投資有価証券−貸倒引当金
こちらも著書で詳細に解説されています。
このどちらも考え方は同じです。
要は、企業が懐に溜め込んでいる流動資産が時価総額より多ければ割安というものです。

どちらもグレアム流の考え方をベースに独自のやり方に昇華されているところが凄いですね。
(かぶ1000流)ネットネット銘柄一覧「令和7年9月時点」
実際にネットネット指数が高い銘柄をスクリーニングした結果です。
わたしが実際に参考にし採用している「かぶ1000流」でスクリーニングしました。
注意
あくまで参考としての情報であり、投資を推奨したり勧誘している訳ではないのでご注意ください。
また、この情報に基づき投資された結果について、一切の責任も負えません。
あくまで投資は自己責任で行ってください。
- 7371 G-Zenken
- 6619 WSCOPE
- 3504 丸八ホールディングス
- 6048 デザインワン
- 6986 双葉電子
- 9402 中部日本放送
- 3600 フジックス
- 8045 横浜丸魚
- 4387 G-ZUU
- 5946 長府製
- 4102 丸尾カルシウム
- 6142 富士精工
- 2221 岩塚製菓
- 1897 金下建設
- 7902 ソノコム
- 8145 中部水産
- 7297 カーメイト
- 6049 G-イトクロ
- 5971 共和工業
- 4624 イサム塗料
- 2055 日和産業
- 9885 シャルレ
- 3426 アトムリビン
- 2484 出前館
- 5363 TYK
- 6346 キクカワエンタープライス
- 7857 セキ
- 7859 アルメディオ
- 9767 日建工学
- 8013 ナイガイ
- 5979 カネソウ
- 3787 テクノマセマ
- 5541 太平洋金属
- 3512 日本フェルト
- 6249 GCジョイコ
- 3537 昭栄薬品
- 5658 日亜鋼業
- 4231 タイガースポリマー

この中にお宝が眠っている可能性もありますね。
わたしも実際にこのリストを深堀していくつかの銘柄に投資を行っています。
ネットネット指数が高いからといってすぐに投資するのではなく、割安の理由やビジネスモデルから今後、株価が高騰する可能性「カタリスト」が眠っているかなどの条件を勘案し投資するかを判断した方が賢明です。
ネットネット指数が高い銘柄の注意点として、割安なまま放置されているには「収益性が低い」「将来的な成長が見込みにくい」など、それなりに理由がある可能性があるからです。
この割安放置銘柄の評価が見直されて株価が高騰するためには、何かきっかけが必要だったりします。
このきっかけのことを「カタリスト」というのですが、このカタリストを探し出して、そのカタリストが表に出るまでホールドしておくのも一つの戦略なのかな?とは思います。

わたしもネットネット銘柄には投資していますが、本当に長期間ホールドすることを前提に購入しました。
何かのきっかけになれば幸いです。
今回は以上です。